転写マニュアル

この度、発売させて頂きます『NAVY Rating(熱転写式)』はUS NAVYにおいて1943年頃より大戦を通じワークユニフォームの左袖に転写使用されたものであり、製法及び転写方式は同時期に使用された『AAF Decal(熱転写式)』と同型式です。本来は転写に際し温度、圧力の微細な設定が可能な転写機が使用されましたが、専用の転写機の使用が困難な私達であっても注意深く行えばある程度の結果が得られると判断し販売に踏み切りました。使用前には必ず当転写マニュアル熟読頂けますようお願い申し上げますと共に、このプリント方式による転写におきましては若干のインクの滲み、かすれ等は必ず起きうることであること、事前のご理解ご了承お願い申し上げます。
尚、転写結果及び転写に際し如何なる不具合、損失が生じましても、私共は購入頂きましたNAVY Ratingの代金以上の一切の責務は負いかねますこと、併せご理解ご了承お願い申し上げます。

印刷に必要な物


・小型アイロン(スチーム機能の付いていない、温度調節可能なタイプ)
注)どうしてもスチーム機能の付いていないアイロンの用意が困難な場合、料理に使用するアルミホイルを Rating台紙と同じ大きさにカットした物を3枚、転写の際にRating台紙の上に乗せその上からアイロンで加温加圧下さい。充分に加温されないスチームの吹き出し穴の加温をアルミホイルで幾分か補助するためです。但し、この方法でもスチームの吹き出し穴部分の加圧不足を補うことは不能のためプリント図柄一部のかすれ、抜け等が予見されます。可能な限りスチーム機能の付いていないアイロンを用意下さい。
・薄手のあて布(綿製のハンカチ等)
・アイロン台、又は台紙より若干大きな厚手の本を二冊ほど。
注)本の表紙で熱に弱い素材の物もあります。コピー紙を本の大きさに予めカットした物を4-5枚、本の上に乗せ使用下さい。
・台紙の大きさにカットしたコピー紙を1枚。転写後に必要となります。
・購入頂いたNAVY Rating(熱転写式)
注)販売『NAVY Rating』は左袖専用です。右袖には使用出来ません。
・ストップウオッチ又は秒針付きの時計
・巻き尺、又は物差し
・洗濯バサミ、6個
・転写対象の綿製衣料(復刻M-43シャンブレーシャツ使用)
注)本品は綿製品専用の熱転写紙であり、綿製品以外のナイロン、ポリエステル、化繊等には一切使用出来ません。

印刷前のジャケット 印刷に必要な物集合写真

注意! 作業の前に

・使用のアイロンは作業を行う15分前(寒期は20分)にはスイッチを入れ、温度設定を完了しておいて下さい。この作業にはアイロンの底面が全体に均一な温度になる事が重要です。底面温度が均一になるためには15-20分程度の時間が必要なためです。
・転写対象衣類に汚れがある場合、必ず事前に洗濯を行って下さい。又、転写部分に皺がある場合、事前にアイロンがけを行って下さい。汚れ、皺がある衣料への転写は不満足な結果(図柄のかすれ、抜け等)となる可能性が大です。

フライトジャケットにおける転写位置
  左袖上センターライン肩口縫い合わせから9cm下がった位置に台紙の右上端を、左右は袖上センターラインに台紙右端を合わせて下さい。
注)陸軍においては殆どの場合、徽章類の取り付けを袖上センターラインに徽章のセンターをあわせますが、海軍のセーラートップ、シャンブレーシャツにおいては袖上センターラインの前に徽章を縫い付け(転写)するようです。最終的には個人の好みを加味し転写位置を決定下さい。
転写位置
フライトジャケット


転写手順
袖上センターラインを分かり易くするために、袖下縫い合わせラインを洗濯バサミ3個(12-13cm間隔)で折り返し固定します。
注)袖を平置き、袖下縫い合わせラインの反対側が袖上センターラインになります。
袖下ラインを折り返し固定し、決まった袖上ラインを袖下ラインと同じように洗濯バサミ3個(12-13cm間隔)で折り返し固定します。
決定した袖上センターラインの肩口縫い合わせ部から9cm下を洗濯バサミで位置決め。
注)9cmの位置から下に台紙を置くので、洗濯バサミの下端を9cmにあわせる。
アイロン台又は厚手の本を転写位置の下に置く。
注)本の上には用意したコピー紙を4-5枚置く。転写時の熱で溶解した本の表紙がシャツを汚さないためです。表紙が熱に強い素材の場合、コピー紙は必要ありません。
袖上センターラインに台紙右端を、肩口縫い合わせ部から9cm下に台紙右上端を位置決めし置く。
注)袖上センターラインを決定するための洗濯バサミは台紙、アイロン台の邪魔にならないように外すか間隔を広げる。
台紙が動かないよう注意しながら、あて布をかける。
台紙にプリントされた図柄全体にアイロンの底面がかかるよう注意し、あて布の上から体重をかけアイロンで加温加圧。
注)転写中はアイロンを絶対動かさないように! !
◇転写温度:約170度
注)温度目盛りの種類が『高、中、低』の場合は高と中の中間あたり、『麻、綿、毛、絹』の場合は綿の中間あたり。目盛りの温度設定はメーカーにより若干異なります。完全な転写が出来ない場合、目盛りを若干上げて見ましょう。目安は180度位までです。
◇転写圧力:約200g/平方センチメートル、小型アイロンの場合約35kg、体重の1/2程度かける強さ。
◇転写時間約10-12秒間(寒い時期は約3秒間ほど長く)
転写が終了しても台紙を一気に剥がさず、台紙を固定したまま下隅からゆっくり持ち上げ図柄が完全に転写されているかを確認しながら剥がして下さい
図柄に掠れ等があり転写が完全でない場合は台紙を剥がさず正確に元の位置にもどし、上記(7)の作業を約4-6秒間、再度行って下さい。再転写終了後においても必ず確認作業を行いながら転写紙を下隅からゆっくり剥がして下さい。転写が完全で無い場合は同じ作業を繰り返し行って下さい。
完全な転写が確認出来れば台紙を取り去って下さい。
用意してあったコピー紙の上から転写面を約3秒間、加温加圧します。加温加圧中はアイロンを絶対動かさないように! !
注)この作業は転写されたインクをより繊維に浸透定着させるための最終作業です。加温加圧でコピー紙に図柄が僅かに転写されますが、余分なインクです気にしないで下さい。
転写完了したシャツはハンガーにつるし、熱が冷めインクが繊維に定着するまで転写面を触らないように放置(最低1時間程度)下さい。熱が完全に冷めればプリント完成です。

印刷に必要な物


【転写可能な対象物】
綿100%の衣料全般に使用可能だと考えます。特にシャンブレー生地(綿100%)、サテン生地(綿100%)に転写可能なことは確認済みです。
注)転写可能と考えられる素材にあっても汚れ、又は防水・撥水加工等の特殊仕上げが施されインクが繊維の隙間に染み込み難い、付着しにくい状態にある素材は全て転写困難又は不能です。 転写に際しては予め見えない部分等での試し転写を行い適した素材であるかの確認をされる事をお勧め致します。

【転写が出来ない対象物】
綿製品以外のナイロン、ポリエステル、化繊等、熱に弱いとされる素材、160度℃前後の加熱で変色又は材質に変化を及ぼす素材、及び革製品には一切使用不可です。綿であっても目の粗いキャンバス地等には不向きです。
注)この転写方式が170度℃前後で転写紙を加熱し溶解したインクが繊維の隙間に染み込み図柄が転写される方式であることから、基本的には熱(160度℃前後以上の温度) に弱い素材は全て不可、又溶解したインクが繊維の隙間に染み込み難い、付着しにくい素材は全て使用不能とお考え下さい。

■洗濯に関し
転写後の洗濯は出来れば水洗いでお願いします。弊社でテストしたドライクリーニングでは問題ありませんでしたが、使用する溶剤の種類により極端な図柄落ち、色落ちの可能性もあります。ご注意下さい。