1926年時の中国を舞台に描かれた、映画『The Sand Pebbles/砲艦サンパブロ』。First Class(一等海曹)機関士“Jake Holman”に扮した“S. McQueen”。機械油に汚れたシャンブレーシャツの存在感が“McQueen”のキャラクターと共に強烈な印象を見る者に与えた。2013年復刻 M43 Chambray Shirtsに続き、今回完成したM58 Chambray Shirts。その特徴は、このモデルのみに見られる2枚袖、若干丸みを帯びたポケットのボトムライン、マチ(襠)付き裾仕様、長くシャープな襟先とスタンドカラー(台襟)....。40年代の仕様を色濃く残した『US NAVY M58 シャンブレーシャツ』完全復刻版完成です。

US NAVY M58 Chambray Shirts
生地：綿100%、シャンブレー生地(5.3オンス)
ボタン：14mm径、二つ穴、尿素樹脂ボタン
縫い糸：綿100%、30番、3/30、生成り色
1) 襟
長くシャープな襟先とスタンドカラー(台襟)が特徴のM58 Chambray Shirts
2) マーキング
後部センター台襟部分にマーキングされたコントラクトナンバー『DA-36243-QM(CTM)-2654』はこのシャツが1958年、契約納品された事を顕し、一行目にはサイズがマーキングされる。
襟下に青で押された二桁の数字は検品者のシリアルナンバー。
3) 2枚袖
前後の身頃に縫い合わせた一枚の袖を身頃から袖下に向け一気に縫い合わせるのが一般的なシャツ袖の縫製だが、M58シャンブレーは加えられた袖パーツを縫い合わせたあとシャツ袖同様、身頃と袖を同時に縫い合わせる仕様が採用されている。一枚の袖パーツが加えられた理由は腕の曲げ伸ばしに余裕を持たせるためにある。ただ残念なことに、2枚袖はこのモデルのみの限定仕様となりその後は経費削減のためか通常のシャツ袖に戻されたようだ。
4) ポケット
若干丸みを帯びたボトムラインが特徴のポケット。フラップ無しの最終モデルと考えられる。
5) マチ(襠)
前後身頃の縫い合わせ下部は三角のマチ(襠)で補強される。マチ(襠)付きシャンブレーシャツの最終モデルと考えられる。
6) ボタン
14mm径、二つ穴、尿素樹脂ボタン。色に若干のヴァリエーションがあるが、40-50年代のシャンブレーシャツには殆どこの型式のボタンが使用されたようだ。
7) ボタンホール
40-50年代のシャンブレーシャツに多く見られるシャツ穴と呼ばれるボタンホール。
8) 巻き縫い
1/4インチ(約6.4mm)幅、2重環縫い(チェーン・ステッチ)で縫製された縫い合わせ部。
9) 生地
インディゴ染めされたムラ糸を経(タテ)に未晒し糸を緯(ヨコ)に平織りされたシャンブレー生地は大戦時と同じ5.3オンス。